1対1に強い個人技のある選手をチームとして活かす戦術「アイソレーション」のポイント

アイソレーション(Isolation)とは、元々は他競技であるバスケットボールで用いられるチーム戦術です。簡単に表現すると「1対1を得意とする選手がサイドでボールを持った時に、他の選手が逆サイドへ移動しスペースを空ける」という戦術です。また、相手チームがハイプレスをかけてきたときにもプレス回避する際に有効な戦術となります。
ここでは、攻撃時において、アイソレーションをしない場合とした場合を比較して、アイソレーションの効果を見ていきます。
アイソレーションをしない場合でのドリブル突破

アイソレーションをしなかった例です。
左サイドでボールを持ち1対1を仕掛けるシチュエーションで、相手ディフェンスと共に味方が同じ左サイド前方に位置しています。
この場合、ドリブル突破を成功させたとしても、狭いスペースに2人以上が重なっているためチャンスとはなりません。
アイソレーションをした場合でのドリブル突破

左サイドで1対1を仕掛けるシチュエーションとしては同じですが、上図では攻撃側の残り3選手が逆サイドへポジションを移しています。
これにより、縦にドリブル突破を成功させた場合、一気にゴール前までボールを運ぶことが可能となり、決定機を作ることが可能です。
このようにアイソレーションによって相手ディフェンスを引き連れてスペースを意図的に空けてあげることで、味方が1対1の勝負をしやすい状況を作ることができます。